観劇鑑賞ADME録

色んな作品を咀嚼するブログ。ネタバレしかないです。

【映画感想】劇場版 舞台刀剣乱舞 无伝 夕紅の士-大坂夏の陣-

鑑賞日:2022.5.14(土)
※初見
2021年の舞台作品の劇場映像版。
途中休憩のある映画

刀ステの劇場版は今のところコンプリートしています。
というか以前無料配信してた時に慈伝くらいまでは見たんだけど、””流し見””のために全然内容把握出来ず……(最悪!)
3時間弱、ほぼ強制的に作品と向き合うことを余儀なくされる『劇場配信』にてようやくきちんと話を追えてきた次第です。近況報告。
で、この度公開された劇場版『无伝』。
この作品に対してはTLの刀ステ大好きフォロワー達の様子が明らかにおかしい……というか”狂い度”がとにかく尋常じゃないので「楽しみ」通り越して「怖い」という感情を抱いての鑑賞になりました。感覚的にはジェットコースターの天頂部。まあ末満作品は大体そうです。いつもね。

おおまかなあらすじ

前回『天伝 蒼空の兵-大坂夏の陣-』ラストにて、歴史に歯向かうため本来まだ死ぬべきでないのに自害した真田信繁。もうこの時点で完全に歴史が狂ってしまったが、『あくまで表向きは』辻褄を合わすため、時の政府側の刀剣男士、大千鳥十文字槍&泛塵は真田信繁の影武者を立てることに。しかし『史実には存在しないはずの』真田十勇士達が何故か登場、彼らに影武者を見破られ影武者作戦は失敗。泛塵は『この時代には存在しないはずの』真田丸に捕らえられてしまう。
一方いつもの本丸の刀剣男士達も夏の陣あたりの時間軸に出陣。なんか明らかに戦況が豊臣有利でおかしいんだけど……。たまたま出くわした十勇士達とドンパチやったり真田丸に潜入したりする刀剣男士達(と、色々あって合流した大千鳥)。そして真田丸内部に潜入した刀剣男士と十勇士の乱闘騒ぎに。するとそこに登場したのは豊臣方のトップ豊臣秀頼の義母にして秀吉の正室高台院。なんと十勇士達に「刀剣男士達と争うな」と命を下す!なんで!?(この時泛塵も返してもらえた)
仕方が無いので一緒に釣りしたり飲んだりしてのんびり過ごす刀剣男士&十勇士。一体どういう状況なんだこれは……。十勇士は豊臣を守るのが存在意義。なのに敵を目の前にして戦わせてもらえず、フラストレーションを爆発させながら敵と一緒に居酒屋で酒を飲む日々です。どういう状況なんだ……。

もう1人の秀吉、と呼ばれながらも「豊臣を終わらせる」と言う高台院。果たして高台院は何を考えているのか?そして改変の進んでしまったこの大坂夏の陣はどのような結末を迎えるのか?

全体的な感想

滅びの美……。
いやなんていうか、勿論滅びを過度に賛美してる訳では決して無いんです。無いんだけど、万物が避けようも無い『滅び』に対して、つまり今回で言うところの豊臣の滅亡に対して、抗ったり従ったりする者達それぞれを本当に真摯に描かれた話だなあと思った。面白かった!
あとは『史実』と『物語』の対比構造がガンガン出てきましたね。刀剣男士に対する十勇士とかまさに。そこへ行くと大千鳥くんはまさに中間の存在なんですね。「十勇士の物語を食って強くなれ」と大千鳥を応援する泛塵くんの友情にジーンとすると共に、(物語って食えるの……?)とちょっと戸惑うなどもした。Don’t think, Feel.
とにかく情報量過多で全然咀嚼できてないので、とりあえず思い浮かんだことをガシガシ書いていくことにします。纏められん。

真田十勇士について

噂に聞く真田十勇士の皆さん、マジでキャラが濃かったですね。キャラデザ時点でうわっ和製繭期だ……!と思いました。コラコラそれは他作品……と思い直して本編視聴わずか五分でだいぶ症状キツめの繭期だ!!と思いました。だからそれは他作品。余談ですが刀剣男士は基本的に初期刀しか知らないので大千鳥くんも初見でした。白髪に赤い服だから(ははあ……この人が十勇士の誰かだな?)と早合点してたらその後本物の十勇士全員が出てきて (11人いる!) と大混乱しました。
11人……じゃなかった、10人もいるのに全員キャラの立ちっぷりがすっごいですね。10人も居るけど皆豊臣への(そして真田信繁への?)忠誠心が凄くてグッときますね。生まれた時からそういう『在り方』の存在なんですよね。後半で高台院から戦闘OKの命が来た時の彼ら嬉しそうだったなあ。それなのに彼らが顕現した時にはもう真田信繁は自刃してたのが悲しい。お互い会わせてあげたかったなあ。そんな感じのことを鑑賞後友人にぼやいたら「真田信繁が死ぬことが十勇士顕現の条件かもしれんよ?知らんけど」と特大知らんけど爆弾を落とされてしまいました。でも仮にそうだとしたら真田信繁の死は(ある意味で)無駄死にでは無かったんだね、と綺麗に着地するのでその説推したいですね。知らんけど。
CG使った豪勢な忍術使ったりバイク二輪駆動馬車乗り回したり重傷仕様の男子達に「何で脱いでるの?」って聞いたり(そこ突っ込んでいいんだ)、マジでやりたい放題で大好きです。なんならこの人たちも重傷衣装用意されてるかな……ってちょっと期待したりもしました。流石に無かった……。
「もっと戦いたかった」という叫びがいいね ギリギリになったけどGOサイン出してくれてありがとう高台院 サンキュー三日月宗近

高台院湖月心尼(演:一路真輝)について

いやマジで凄い すっごい もう美 美!!!!!
語彙力2のゴミになっちゃう
美しさに年齢とか若さとかマジで関係ないんだろうな 本当にめちゃくちゃ綺麗 見た目が美しいだけじゃなくて魂レベルの凛とした美しさが強く大きい目力から放たれてて凄かった。タカラジェンヌは幾つになってもあんなにお美しいんですね……
見た目の事しか言ってないな 役柄もすごく良かった
最初怖い人なのかな〜〜って思ってたけど畑仕事姿で出てきた瞬間そういう懸念が消し炭になって吹き飛びました。
この人も実は『本物の高台院』では無いんですよね。何故なら本物は別の場所にいるはずだから。でも誰にそれを教えてもらうでもなく自分でそう推測し、それを受け入れる度量がすごいですよね。
色んな良いシーンがあったけど、ラストの秀頼の首を抱く高台院の絵面が凄すぎて全部吹っ飛んでしまった。というかあの首ちょっと精巧すぎない……??床に垂れる赤い布が恐ろしく美しかった。

如水について

ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜官兵衛‼️‼️‼️‼️‼️‼️黒田官兵衛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
マジでむちゃくちゃ物語に食い込んでくるじゃん黒田官兵衛!!CGのみだったけどご尊顔をドアップで見られて幸せでした。マジでTRUMPシリーズのソフィ・アンダーソン並に話に絡んでくる。ある意味の黒幕感すらある。ジョ伝の段階でここまで考えてたんかなあ……。長谷部との戦いのシーン、いいですよねえ。あのなんか服の裾のヒラヒラ、好き。

舞台演出について

ステアラ現地に行った事ないんですけど、何これめちゃくちゃ楽しそう……!!天伝の時もそう思ったけど无伝でなおのことそう思った!カーテンコールで三日月宗近と一緒に皆んなが思い思いの場所にいるのを追いかける(?)のが凄い良いですよね。動いているのは舞台でなく私たち観客の座席なんですよね?地動説。座席という乗り物に乗って様々な舞台装置・キャラに会いに行く感じがイッツアスモールワールドみたいだなと思いました。ステアラはアトラクション……
殺陣もす〜〜〜ごかった、劇場版だとカメラワークが頑張ってくれているのでこちらはただ画面を見れば良いのだけど、現場の舞台ではもう見る目が全く足りない有様なんだろうな!想像するだけでも楽しそう。そりゃ通うよね。
あとは……高台院のとこにも書いたけど赤い布、ああいうの舞台ならではですよね 本当好き

その他もろもろ

  • 阿形と吽形のモノマネを完コピする鶴丸国永がガチでツボに入って映画館なのに「ブハハ‼️」って声出して笑ってしまった 鶴丸が悪い
  • 穴山小助さんが乾杯の音頭でめっちゃ虐められてたのにこにこしながら見てた。弄り甲斐があるなあ〜。(株)真田十勇士の忘年会開幕とかこんな感じなんでしょうね。
  • 天伝で悩み抜いてた秀頼様が(徳川秀忠と語らった事もあり)无伝ではごちゃごちゃ悩まずまっすぐ貫き通してくれたのが良かった。もう一回同じ流れをする必要ないしね。
  • 陽伝⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

まとめ

本当は他にもも〜〜〜〜っと色々感じたこととかあったはずなんですがそれらを全部思い出して出力するのは無理でした。というか全然拾いきれてない。複数回見ろということか……。
どの登場人物も本当に魅力的。刀ステは史実側のキャラも大好きなんですが十勇士はまさに中間みたいな存在で見てて新鮮でした。あと格好が派手なので見てて楽しかった。猿飛くんのデッケエ手裏剣好きだな〜〜〜少年漫画的浪漫がある……。
上演時間も長いし内容もハイカロリーだし咀嚼がむずいむずいぞ 食べ応えありすぎる……
でも細かいこと抜きにしても、面白かった〜!

あの世界において、史実の秀頼も人で無くなった高台院も無から生まれた十勇士達も安らかに眠れますように。